食事の工夫について

多発性硬化症と暮らし

多発性硬化症は原因不明の難病とされ、確かに完治は難しいとされている病気です。

 

しかし、だからといって多発性硬化症にかかった誰もが辛い日々を送っているわけではありません。

 

多発性硬化症は、その症状に合わせて日常生活の中にちょっとした工夫を取り入れたり、発症後の将来設計を少し変更することで、その後も長く充実した日々を送ることができるのです。

 

そのためにはまず、あなた自身が「やってて楽しい!」と思える事、つまり「楽しむ事」を忘れず大切にしていきましょう。

食事は大切!

多発性硬化症と上手にお付き合いを続けていくためには、日頃の生活に取り入れていきたい多くの工夫があります。そこでまずは、やはり何と言っても大切な「食事」についてご紹介します。。

 

◆しっかり食べる!

規則正しく栄養バランスの整った食事を摂取することは、とても大切なことですが、多発性硬化症の人の中には、「食べること」そのものが難しく、そのため食事内容や摂取方法にも大きな変化がみられる事があります。

 

まず多発性硬化症に「こんな食事が良いですよ」といえる内容は、一般的に健康を維持していくために大切とされる食事として奨励されている内容と変わりありません。そしてその内容は以下をバランスよく摂取することにあります。

 

  • 必須アミノ酸
  • 抗酸化物質
  • 葉酸
  • ビタミンB12

 

そこで多発性硬化症の食事のポイントは以下になります。

 

◆調理の時使用する油はラードではなく、ひまわり油やえごま油などといった植物油などを使用する。

 

魚料理をできれば週5〜6回以上と積極的に取り入れる。

 

◆乳製品を使用する時は、脱脂乳や低脂肪乳にする。

 

◆皮がむかれたモモ肉やムネ肉、ささみなどの鶏肉や、できるだけ脂身の少ない赤身の肉を選ぶ。

 

1日に果物と野菜を5〜6皿食べる。

*濃い緑色の葉野菜をお皿に1つ取り入れる。

 

動物性脂肪を多く含む加工食品を控える

*ソーセージやベーコン、ハンバーガーなど。

 

脂肪や糖分を多く含む食品を避ける

*ケーキ・チョコレート・クリームなど。

 

◆調理方法は直火焼き、蒸す、茹でる、オーブンを使用するなどで、できるだけ油で揚げるのを避けるよう工夫する。

 

◆玄米・全粒粉のパン・シリアルを取り入れるようにする。

 

水分摂取量は医師と相談し、できるだけ多く摂取する。

 

◆ビタミンなどを補うために栄養補助食品を用いる場合、医師に相談してから取り入れる

 

 

症状ごとに気をつけてもらいたい食事!

◆嚥下障害がある場合

多発性硬化症の症状のひとつに嚥下障害があります。
そこで嚥下障害とは、物を噛んだり飲み込んだりすることができなくなる障害で、よく言語障害を伴うことがあります。

 

この嚥下障害がある場合、誤飲などを防ぐため症状の程度に応じ、具材を細かく切る、裏ごしやすりつぶす、味噌汁などの液体にとりみをつけるなど、工夫してみましょう。

 

こうすることで嚥下障害があっても食事の摂取は可能となります。

しかし「噛む」という行為がなされないことから「食事をしている」という刺激が低下し、そのことで食欲低下から体重減少へとつながることがあります。

 

そのため食事から補えない栄養について、それを補うために栄養保護食品が用いられることもあり、更に重症である場合には、栄養チューブを使っての栄養補給の必要があることもあります。

 

◆便秘

多発性硬化症にかかると多くの人が便秘がちになります。
そして一般的な便秘は排便がスムーズにされないことをいいますが、多発性硬化症の場合、寝たきりや運動不足により腸の運動(腸蠕動)が低下することで便秘になります。
また食物繊維や水分摂取量が少ないと便秘になるため、以下を心がけましょう。


◎朝起きたらすぐ食事を摂る前にコップ1杯の冷たい水を飲むようにする。

 

◎食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂取する

  • 小豆または大豆などの「豆類」
  • 干しシイタケやしめじなどの「きのこ類」
  • こんぶや寒天、ひじきなどの「海藻類」
  • さつまいもや里芋の「イモ類」
  • 切干大根やかぼちゃなどの「野菜類」
  • バナナやキウイなどの「果物類」

 

これらを積極的に摂取する他、多めの水分摂取、良く噛んで食べる、便意を感じたら我慢せずすぐトイレに行くなど、便秘の解消・予防に努めていきましょう。

 

◆骨粗鬆症

骨密度が低くなると骨はスカスカとなり、骨折しやすくなります。これを骨粗鬆症といいます。

 

特に女性の場合、閉経を迎えた後ホルモンバランスが大きく変化することで、これに伴い骨の量も急激に減少するため骨粗鬆症になる人が多く見られます。

 

そんな女性に比べ男性は、加齢に伴い腸管からされるカルシウムの吸収が低くなる事で、高齢になればそれだけ骨粗鬆症になりやすくなります。

 

そして多発性硬化症の場合、治療にb>ステロイド剤が用いられることが多いため、それにより骨がもろくなっていることもあります。

 

そこでカルシウムを多く含む食品を積極的に取り入れていきましょう。

 

例えば牛乳やヨーグルトなどの乳製品を始め、小魚やししゃもといった魚類などがあります。

 

◆ステロイド療法中の場合

ステロイド剤の副作用には以下のようなものがあります。

 

  • 消化性潰瘍ができやすい
  • 感染症にかかりやすい
  • 体重増加
  • むくみ
  • 食欲が増す…肥満に注意
  • 骨がもろくなる…骨粗鬆症に注意

 

などがあります。

またステロイド剤による治療中、空腹感が強くなったとしても決して食べ過ぎてはいけません。

 

それは肥満にも繋がることですからくれぐれも食べすぎには注意してください。

 

このように多発性硬化症の場合、食事の内容をそれぞれ見直し、健康的でバランスのとれた食事をしていくことが大切です。

 

各項目によく目を通し医師と相談しながら自分の症状の程度に合った食事を心がけていきましょう。

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