治療法について

多発性硬化症…急性期の治療

多発性硬化症の急性期の治療では、急性増悪期のできるだけ早い段階で治療が行われます。

 

そうすることで、病巣が広がりや炎症により引き起こされる二次的変性を抑制することがっできることから、高い確率で機能回復を期待することができます

 

また治療が開始される前に、多発性硬化症であると診断するためだけでなく、治療効果の判定をするためにも、MRI検査や髄液検査、誘発電位などの検査が行われるのが理想的です。

 

そして多発性硬化症のこの時期の治療法として一般的に行われているのは、ステロイドパルス療法です。

これは生理食塩水50〜100mlにソルメドロール1gを溶かし込んだものを、点滴で1〜3時間かけて投与されます。

 

この点滴を3日間を1クールとして症状によって2,3クール行います。

但し多発性硬化症の中でも慢性進行性の経過をたどるものに対しての反応性は乏しいとされています。

 

また神経再生に対し高単位ビタミン剤が有効とされています。

そして各症状に対して行われる治療は以下となります。

 

◆呼吸障害…呼吸管理

◆四肢麻痺…良肢位保持
◆膀胱直腸障害…導尿

 

など各症状に対し、それぞれ適した処置が必要になります。

回復期には異常感覚のことを指し場合によっては痙攣が伴わないこともあるとされる「有痛性強直性痙攣」という症状が引き起こる事もあり、これは脱髄巣が再生するに伴って起こる異常興奮が原因ではないかとされています。

 

この症状に対する治療にはナトリウムチャネルブロッカーとなるカルバマゼピン(100〜300mg/日)が有効ですが、これが無効となる場合にはヒダントインが有効であることがあります。

 

このように薬による治療の他、急性期では症状の程度にもよりますが、リハビリテーションが有効とされています。

 

寛解期に行われる治療

多発性硬化症の寛解期には、各症状に対しそれぞれに有効な処置が行われます。

そこで症状別に行われる処置は以下になります。

 

◆下肢痙性…抗痙縮薬

◆寝ている時に起こる痙攣…クロナゼパム0.5〜1.0mg/日
◆疼痛…カルバマゼピン100〜300mg/日
◆カルバマゼピンが無効の場合…フェニトイン→フェノチアジンの順で試してみる
◆入浴で症状悪化…ボディクーリングで症状を調節するか薬物療法を併用

 

このように各症状に有効とされる処置が行われます。

また精神症状で多く見られるのが多幸的となりますが、抑鬱的(よくうつてき)になることもあります。このような場合、マイナートランキライザーや抗うつ剤などが処置に用いられることもあります。

 

多発性硬化症の再発予防やリハビリ

多発性硬化症の再発が起こる原因として、ストレスや過労、感染症などが挙げられます。そのため、うがいや手洗いといった日常生活の中で注意していくことや、心がけていくことを実行させます。

 

また潜在性の病変が引き起こされる行為には、夏の暑い時期に長時間直射日光を浴び続けたり、長時間の入浴などがありますので注意しましょう。このように普段の日常生活で注意すべき事を意識していくことが多発性硬化症の再発予防となります。

 

多発性硬化症については原因が不明など適切な情報が少なく、更に病気に対する認知度も低い事から、例え多発性硬化症を疑う症状が起こったとしても、正しく診断されないこともあります。

 

そして何と言っても、多発性硬化症の症状のひとつとされる疲労感などを訴えたところで「なまけたいだけ」と誤解されるなど、周囲の理解を得ることが難しいのが現状です。

 

また多発性硬化症は症状が緩和されることで社会復帰できる病気ですから、そのためにもリハビリテーションはしっかりされなければなりません。

 

そんな多発性硬化症のリハビリでは、低下が見られた筋肉の強化や障害部位のトレーニングが中心に行われます。1日も早い社会復帰を目指し、前向きに焦らずしっかりリハビリに取り組んでいきましょう。

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